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    非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)の患者さんへのインタビューを経て
2025.02/18(Tue)

Vol.1
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)の患者さんへのインタビューを経て

医療用医薬品専門の広告代理店の業務には様々なものがありますが、私の心に残る業務の一つが「患者さんへのインタビュー」です。特に、広告代理店勤務を終える直前まで担当していた希少疾患の【非典型溶血性尿毒症症候群 (aHUS)】の患者さん・そのご家族へのインタビューでは、aHUSという病気の重篤性についてリアルに知ることになりました。インタビューさせていただいた患者さんの約半数は、生後数カ月で血尿を初発症状としてaHUS を発症していました。1歳にも満たない小さなお子さんが重篤な状態となり、診断を待つまでのご両親の不安な気持ちや、幼い命を救うために懸命に対応する医師や医療スタッフの緊迫した様子をうかがい、たびたび胸が締め付けられました。
aHUSは、かつてに比べて病態解明が進み、治療薬も開発されたことから、治療薬によって安定した状態を維持できるようになってきています。しかし、aHUSは希少疾患であるがゆえに診療経験を持つ医師が限られ、かつ鑑別すべき疾患が多く、発症早期に確定診断につながる検査方法がない1)ことから、医師にとっても難しい疾患であることには変わりはありません。
患者さんやそのご家族へのインタビューを通して、血尿などの非特異的な初発症状が少しでも早い段階でaHUSを想起できるように、そして患者さんやそのご家族が希望をもって疾患や治療に向き合えるよう、希少疾患や難病、小児医療の情報提供活動にかかわっていきたいと思いました。

本インタビューは、患者さん・ご家族の体験談としてシリーズの小冊子として制作しました。このような貴重な経験をさせていただいた元勤務先の広告代理店およびクライアントさんに感謝いたします。

1)厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)「血液凝固異常症等に関する研究班」 非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド改定委員会 編集 「典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド2023」 viiより